SA8000のSAは、「ソーシャル・アカウンタビリティ(社会説明責任)」の略で、米国のCSR評価機関であるSAI(Social Accountability International)が「国際的な労働市場における基本的な労働者の人権保護に関する規範」を定めた規格です。

SA8000の認証取得の必要性が高まり、二者監査が実施されるようになった大きな理由は、第一に企業の社会的責任(CSR)が声高に叫ばれるようになってきたこと、第二に、労働環境のグローバル化に伴い国際的な労働規格が欠かせなくなってきたことが挙げられます。つまり、企業は利益を追求するだけでなく、法律を遵守し、環境に対する配慮も行い、コミュニティーに対して貢献するとともに、社会的責任(CSR)をしっかり果たすことに、ステークホールダーが一段と強い関心を持ち始めたからに他なりません。ここで忘れてならないことは、企業活動のグローバル化の端を発したといわれる先進国の多国籍企業(かつてはエクセレントカンパニーという呼び名で称賛されていた)が、発展途上国の労働者を低賃金で雇うなど、さまざまな問題が発生させていたことも起因しています。グローバル企業では、既にSA8000に準拠した二者監査が取引条件になっていますし、金融機関では海外進出の新規融資条件にもなっています。

SA8000の規格要求事項は、1.児童労働の撤廃、2.強制労働の撤廃、3.労働者の健康と安全、4.結社の自由と団体交渉の権利、5.差別の撤廃、6.肉体的な懲罰等の撤廃、7.労働時間の管理、8.基本的な生活を満たす報酬、9.マネジメントシステムなど9つの分野について、企業が第三者機関の認証を受けることになっています。認証を受けた企業は、労働者の基本的人権を尊重するとともに労働環境の向上に真摯に取り組んでいる証となり、国際的な評価を得ることができます。しかしながら、この認証を取得していない企業がひとたび労働問題を発生させてしまうと、マスメディアの攻撃に晒されるだけでなく、インターネット経由等により一部始終が瞬時に広まり、不買運動、株価の暴落、さらには企業バッシング等、さまざまな負の連鎖を引き起こし、そのダメージは計り知れないものとなってしまいます。

JMT社では、就労環境評価の国際規格であるSA8000と労働安全衛生の規格であるISO45001とサプライチェーンマネジメントのガイドラインであるPAS7000を効果的に融合させた、より高度なCSR対応コンサルティングを実施しております。「顧客からの信頼」と「労働者の安全と権利に対する基盤作り」をより強固なものにしていくためにも、新たな取り組みを支援するプログラムを策定し、皆さまにご案内する次第でございます。

詳細につきましては、JMT社までお気軽にお問合せください。

コメントを残す